副業の経費はどこまでOK?会社員が迷う「家事按分」と20万円ルールを税理士が解説

最終更新日:2026-04-10|監修:浅井匠也税理士事務所(千葉市/海浜幕張) 本記事は所得税法・通達・国税庁タックスアンサーに基づく保守的実務でまとめています。最終判断は個別事情で変動します。

💡 本記事は会社員の方が副業で支出した費用を、どこまで必要経費にできるかに特化した解説です。副業全体の確定申告の流れは副業の確定申告ページをご覧ください。

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目次

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  • 副業でも必要経費は計上できる
  • 経費になりやすいもの/なりにくいもの
  • 家賃・光熱費・通信費は「家事按分」で考える
  • パソコン代・スマホ代の扱い
  • 20万円ルールは「収入」ではなく「所得」で判定
  • 領収書がないときの代替資料
  • 迷ったときの判断フロー
  • よくある質問(FAQ)
  • 料金と支援の流れ(目安)
  • 参考リンク・根拠
  • 関連記事(内部リンク)

副業でも必要経費は計上できる

当事務所へのお問合せでも多いのが、「ブログの収入が出てきたが、サーバー代や自宅の家賃はどこまで落とせるのか」「スマホを仕事にも使っているが、全額経費でよいのか」というご相談です。

結論からいえば、副業であっても、収入を得るために必要だった支出は必要経費として計上できます。所得税法第37条は、事業所得・雑所得の必要経費について「総収入金額を得るため直接に要した費用の額」と定めており、副業でも考え方は同じです。

ただし、「仕事に少しでも関係があれば何でもOK」ということではありません。判断にあたっては、次の3点が出発点になります。

経費判断の3つのポイント

① その支出は、副業の収入を得るために本当に必要だったか
副業との関連性が薄い支出は、無理に経費にしない方が安全です。

② プライベート分が混ざっていないか
生活費と混在している支出は、全額ではなく仕事で使った部分だけを切り分けて計上します。

③ あとから内容を説明できる資料が残っているか
領収書・明細・業務との関連メモなど、第三者に説明できる根拠が残っていることが重要です。


経費になりやすいもの/なりにくいもの

経費として計上しやすいもの

副業との関連が明確で、比較的そのまま経費にしやすいものを整理します。

区分具体例
サイト・運営費サーバー代、ドメイン代、有料テーマ、プラグイン
素材・資料画像・動画素材の利用料、書籍代、参考資料
ツール業務用ソフトのサブスクリプション、デザインツール
取引コスト広告費、外注費、振込手数料、決済手数料
移動費打ち合わせ・取材のための交通費

ポイントは、その支出が副業の売上につながっていると説明できるかです。

経費にしにくいもの

一方、以下のような支出は、副業との関連性が不明確になりがちで、そのまま経費にするのは慎重な判断が必要です。

  • 普段着・私服
  • 家族との外食代
  • 私用が中心のスマホ代・通信費
  • 趣味と区別しにくい買い物
  • 日常生活のための支出全般

⚠️ 注意: 「仕事にも使っているから全額経費でいい」という処理は、税務上はほぼ通りません。仕事と私生活が混在している支出は、後述の「家事按分」で仕事分のみを切り分けるのが原則です。


家賃・光熱費・通信費は「家事按分」で考える

在宅で副業をしている方が一番迷いやすいのが、家賃・電気代・インターネット代・スマホ代といった、生活費と仕事の費用が一体化している支出です。

これらは、副業に使っている部分があれば必要経費として計上できる余地がありますが、全額をそのまま経費にすることは基本的にできません。仕事で使った部分だけを合理的な基準で切り分ける、いわゆる「家事按分」が必要になります。

按分の考え方(例)

費目按分の基準例
家賃仕事で使用している部屋の面積割合(例:全体の20%)
電気代副業で作業している時間の割合
インターネット代仕事で使用している割合
スマホ代副業用の連絡・調べ物に使っている割合

💡 Tip: 「家の20%を仕事部屋として使っているから家賃の20%」「通信費のうち仕事使用分は30%」というように、自分なりに筋の通った基準を決めておくことが重要です。毎月ぴったり同じ割合である必要はありませんが、年間を通じて不自然にならないようにしましょう。


パソコン代・スマホ代の扱い

パソコン代

副業のために購入したパソコンは必要経費の対象ですが、金額によって処理方法が変わります

取得価額処理方法
10万円未満購入した年に全額を経費計上
10万円以上20万円未満一括償却資産として3年で均等償却が可能
30万円未満(青色申告)少額減価償却資産の特例で一括経費化が可能(年間合計300万円まで)
30万円以上通常の減価償却(耐用年数4年)

私用と兼用している場合は、いずれのケースでも副業で使用している割合分のみが経費になります。

スマホ代

スマホも考え方は同じです。副業用に専用回線・専用端末を用意しているなら全額経費として処理しやすいですが、普段使いのスマホを兼用している場合は、使用状況に応じた按分が必要です。

「なんとなく半分」ではなく、通話・データ使用量・業務時間などに基づく無理のない割合にしておくことが大切です。


20万円ルールは「収入」ではなく「所得」で判定

副業の確定申告でよく誤解されるのが、いわゆる「20万円ルール」です。

💡 重要: 20万円基準は売上(収入)ではなく、経費を引いたあとの「所得」で判定します。

具体例

ケース売上経費所得所得税の確定申告
25万円10万円15万円原則不要(他の条件を満たせば)
21万円1万円20万円必要
30万円15万円15万円原則不要(他の条件を満たせば)

20万円以下でも申告が必要になるケース

「20万円以下だから何もしなくていい」と思い込むのは危険です。次のような場合は注意が必要です。

  • 医療費控除・ふるさと納税などで確定申告をする場合:副業分も含めて申告が必要になります。
  • 住民税の申告:所得税の20万円ルールは住民税には適用されません。所得税の申告が不要でも、住民税の申告は別途必要になるケースがあります。

領収書がないときの代替資料

経費として計上するには、支出の根拠となる資料の保存が必要です。理想は領収書ですが、領収書がない場合でも、支出内容が分かる以下のような資料で代替できます。

  • クレジットカードの利用明細
  • 銀行の振込記録
  • 請求書・納品書
  • 注文確認メール
  • オンラインサービスの購入履歴画面のスクリーンショット

重要なのは、「いつ/どこに/いくら払って/何のために使ったのか」が後から確認できる状態になっていることです。副業は本業に比べると支出件数が少ないことも多いため、早い段階から整理しておくと後の申告作業がかなり楽になります。


迷ったときの判断フロー

経費にしてよいか迷ったときは、以下の順序で考えると判断しやすくなります。

Q1:その支出は副業のために必要だったか?
→ 関連性が薄ければ、経費にしない。

Q2:プライベート分が混ざっていないか?
→ 混ざっている場合は、家事按分で仕事分のみを計上。

Q3:根拠を説明できるか?
→ 按分割合や支出内容を、あとから第三者に説明できる状態にしておく。

Q4:翌年以降も同じ考え方で継続できるか?
→ その年だけ極端な処理をすると不自然になります。継続可能な基準を選びましょう。

⚠️ 税務では「多めに入れておけば得」という発想はおすすめできません。必要なものを、必要な範囲で、根拠を持って計上するほうがずっと安心です。


よくある質問(FAQ)

Q. カフェ代は経費になりますか?
仕事の打ち合わせや、業務上必要な作業のために使ったと説明できる場合は、検討の余地があります。ただし、日常的な飲食や気分転換との区別がつきにくいため、安易な経費化はおすすめしません。打ち合わせ相手・議題などをメモとして残しておくと安全です。

Q. 家賃はどのくらい経費にできますか?
自宅のうち副業で使っているスペースや時間に応じた按分が基本です。全額を経費にするのは通常かなり難しく、面積割合や使用時間など、無理のない基準で按分してください。

Q. パソコンは全額経費にできますか?
副業用であれば経費対象です。ただし取得価額が10万円以上の場合は、原則として耐用年数に応じた減価償却が必要です。青色申告であれば30万円未満まで一括経費化できる特例があります。私用と兼用する場合は、副業で使う割合分のみが対象です。

Q. 20万円以下なら絶対に申告不要ですか?
そうとは限りません。20万円基準は所得税の確定申告の話であり、住民税は別途申告が必要になる場合があります。また、医療費控除などで確定申告をする場合は、副業分も含めての申告となります。

Q. 副業が赤字の場合、給与所得と相殺できますか?
副業の所得区分によって扱いが変わります。事業所得であれば給与所得との損益通算が可能ですが、雑所得の場合は損益通算ができません。近年は、規模が小さく帳簿を備え付けていない副業は雑所得として扱われるケースが多くなっています。赤字が出ている場合ほど慎重な確認が必要です。


料金と支援の流れ(目安)

  • 標準報酬(目安)税込110,000円〜(副業の確定申告・経費整理を含む)
  • 追加費用:複数の副業がある場合/青色申告への切替支援/過年度分のやり直し

ご支援のながれ ① 15分ヒアリング → ② 副業区分・経費方針の整理・見積 → ③ 資料受領 → ④ 計算・申告 → ⑤ アフター(翌年の記帳方針アドバイス)

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参考リンク・根拠

必要経費・家事按分関連

20万円ルール関連

減価償却・少額特例関連


関連記事(内部リンク)


領収書の整理状況、副業の種類、年間売上の概算が分かると、無料相談の段階でもかなり具体的なアドバイスが可能です。

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本記事は税務上の一般的な整理を解説するものであり、個別の税務判断を保証するものではありません。具体的な申告にあたっては、必ず税理士等の専門家にご相談ください。

© 浅井匠也税理士公認会計士事務所

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